Vol.02「水の里しらやま様」地域創生×ブランディングのユーザーインタビュー・ブランディングワークショップを開催しました|福井県

目次

水の里しらやま様 地域ブランディングプロジェクト

ユーザーインタビューとオンラインワークショップで、ブランドの原石を見つける

フィールドリサーチと対面ワークショップを経て、しらやまという地域の魅力の輪郭が見え始めた前回のフェーズ。
次のステップでは、その仮説をより確かなものにするために、「外からの視点」を取り入れる工程に進みました。

地域の中で感じている価値と、実際に訪れた人が感じている魅力は本当に重なっているのか。
コンセプト設計に入る前に、その解像度を上げることがこのフェーズの目的でした。


このフェーズの目的

前回のワークショップでは、地域住民の皆さんの言葉から、しらやまの強みや可能性が数多く見えてきました。
しかし、ブランディングを進めるうえで重要なのは、「外から見たときにも、その価値が魅力として届くかどうか」です。

そこで今回は、

・ワークショップで描いたペルソナが実際に刺さるかを検証する
・外からの視点を入れて、地域の価値を再確認する
・コンセプト設計に入る前に、方向性の精度を上げる

という目的で、ユーザーインタビューを実施しました。


実際に訪れた人の声から見えてきた、しらやまの魅力

インタビューを行ったのは、しらやまに関わりを持つ方々です。

・実際に訪れたことがある人
・移住してきた人
・子育て世代
・キャンプ好きな人

合計3名に、Zoomで1人30分ずつお話を伺いました。

主に聞いたのは、

・しらやまのどこに魅力を感じたか
・訪れるきっかけ
・不安に思ったこと
・また来たいと思う理由

など、実際の体験をもとにした感覚です。

印象的だったのは、「癒し」と「自然体験」に関する言葉が共通して出てきたことでした。

「自然に癒されたい。子どもにも体験させたいけれど、自分自身が癒されたいという気持ちが大きいです」

この言葉からは、子どものためというよりも、大人自身が自然の中で心を整えたいという想いが伝わってきました。

また、

「水や食べ物がおいしくて、体が喜んでいる感じがしました。普段から健康に気を遣った食生活を心がけているので、すごく合っていると感じました」

という声もあり、しらやまの環境そのものが、身体で感じる価値として受け取られていることも見えてきました。

さらに、

「事前に細かく計画を立てるより、現地に行って、地元の人や掲示を見て、興味を持ったものをその場でやってみることが多いです」

という過ごし方の話も印象的でした。
観光として“消費する”のではなく、その場の出会いや空気を楽しむ時間そのものが魅力になっていることが伝わってきます。


オンラインのブランディングワークショップで、言葉を磨いていく

ユーザーインタビューの結果をもとに、オンラインでのワークショップを実施しました。
参加者は前回と同じメンバーに加え、新しく参加された方もいらっしゃいました。

この回では、

・インタビュー結果の共有
・タグラインやステートメントの考え方の説明
・「しらやまらしさ」の言語化
・コンセプトのアイデア出し

を中心に進めていきました。

「AとBならどちらがしらやまっぽい?」といったワーク形式で感覚をすり合わせながら、少しずつ共通言語を育てていきます。

どちらかというとBがしらやまっぽい!それはなぜ?と言語化をしていきます

タグラインと呼ばれる、ブランドのコアとなるメッセージを作っていく過程も、参加者皆さんにご体験いただきました。タグラインとは、例えばカルピスなら「からだにピース」、サントリーなら「水と生きる」など、そのブランドがお客様に約束することを端的に表したコピーの一つ。今後のブランディングの重要な幹となる言葉になります。

このタグラインの原案を短い言葉で出してもらうワークで、

「子宝と自然の恵み」
「いのちの出発点 心の終着点」
「忘れられない原体験を。」

など、しらやまらしさを感じるアイデアが次々と生まれました。
どの言葉にも、地域で暮らす人たちの実感が込められているのが印象的でした。

ワークショップ参加者の方から様々なアイデアが生まれました!

このフェーズで見えてきた“変化”

ユーザーインタビューとオンラインワークショップを通して、大きく変わったのは「理解の深さ」でした。

・外部の人から見たしらやまらしさも言語化できたこと
・地域住民の皆さんと、同じ言葉で価値を語れるようになったこと
・ブランドコンセプトの原石が見つかったこと

フィールドリサーチの段階では「なんとなく感じていた魅力」だったものが、
このフェーズを経て、「言葉として共有できる価値」に変わっていきました。


ワークショップの後に行ったこと

ワークショップで生まれた言葉やアイデアは、いったんドマノマドに持ち帰り、改めて整理を行いました。

・ペルソナ像の再設計
・そのペルソナに刺さる世界観の検討
・タグラインとステートメントの提案

そして最終的に選ばれたタグライン(ブランドのコアメッセージ)が、

「この原風景が、君の原点になる。」

という言葉でした。

ブランドのコアメッセージを紡いでいきました

しらやまで過ごす時間が、未来の自分を支える記憶になるというストーリーを軸に、地域の魅力を丁寧に表現していきました。

真っ赤な夕焼け、野草の香り、夕暮れの虫の声。
自然の中で過ごした家族との時間が、ふとした瞬間に思い出され、心をあたためてくれる。
透き通った水、舞うコウノトリ、甘いスイカとおいしいごはん。

そんな次々と浮かぶ情景を言葉にしながら、「忘れられない原風景になる場所」という世界観をかたちにしていきました。

また、ビジュアルの方向性を定めるためにコラージュを制作し、どこか懐かしい、日本の原風景を思わせる空気感を設計していきました。

ムードボードと呼ばれるコラージュを作成。今後のブランディングの指標になります

言葉から、形へ。ロゴデザイン制作の次のフェーズへ

こうして生まれたタグラインをもとに、いよいよロゴ制作へと進んでいきます。
言葉として見えてきた世界観を、視覚的にどう表現していくか。

その後はロゴ制作・ホームページへと展開し、しらやまのブランドを、地域の外へ届けていくフェーズへと進んでいきます。

この記事を書いた人

神奈川県川崎市のブランドデザイン会社「株式会社ドマノマド」代表取締役。2012年に富士通に入社し、8年間プロダクトデザイナーとして従事。2年連続で保活に敗れたことをきっかけに自宅を子どもと働けるシェアスペースにして起業。女性・ママデザイナーのためのスクール事業、ブランドデザイン会社としてロゴやホームページなどのブランドデザイン制作事業を展開。

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