「自慢できるスキルやキャリアがない」と感じる未経験デザイナーへ。過去の経験は、ちゃんと強みになる

こんにちは、吉田たかみです。

デザインを学び始めたばかりの方や、未経験からデザイナーを目指している方から、よくこんなお悩みをいただきます。

「私には、自慢できるスキルやキャリアがありません」
「デザイナーとして打ち出せる強みがない気がします」
「これまでの仕事がデザインと関係ないので、何をアピールしたらいいかわかりません」

もしかすると、同じように感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

特に、未経験からデザインの世界に入ろうとしている方は、「デザイナーとしての実績がない」「専門的なキャリアがない」と感じやすいものです。

でも私は、これまでの経験がデザインと直接関係なかったとしても、それをゼロにしてしまう必要はまったくないと思っています。

むしろ、その人が歩んできた過去の仕事や経験こそが、デザイナーとしての強みや差別化につながることがあります。

今回は、「自慢できるスキルやキャリアがない」と感じている未経験デザイナーの方に向けて、過去の経験をどう強みに変えていけばいいのかをお話ししていきます。

目次

未経験デザイナーが「強みがない」と感じてしまう理由

未経験からデザイナーを目指す方の中には、完全にゼロからデザインを学び始めた方も多いと思います。

これまでデザインの仕事をしたことがない。
美大やデザイン系の学校を出ていない。
デザイン会社で働いた経験もない。

そうすると、どうしても「自分にはデザイナーとして語れるものがない」と感じてしまいやすいんですよね。

さらに、これまでにいろいろな職種を経験してきた方ほど、「転職が多いことがコンプレックスです」「一貫したキャリアがありません」と悩まれることもあります。

でも、それは本当に弱みなのでしょうか。

私はむしろ、いろいろな仕事を経験してきたことは、フリーランスデザイナーや個人で活動するデザイナーにとって、かなり大きな武器になると思っています。

なぜなら、デザインの仕事は、ただ見た目をきれいに作るだけではないからです。

お客様の話を聞く力。
相手の業界を理解する力。
悩みや背景を汲み取る力。
提案する力。
コミュニケーションする力。

こうした力は、実はデザイン以外の仕事経験の中で育っていることが多いのです。

デザインと関係ない経験も、フリーランスでは武器になる

私自身は、大学でデザインを学び、新卒で富士通に入社しました。

周りにはデザイナーがたくさんいて、上司も同僚も後輩もデザイナー。大学時代からずっと、デザインの世界の中で過ごしてきました。

一見すると、デザイナーとしてはわかりやすいキャリアに見えるかもしれません。

でも、起業してから感じたのは、「私はデザインしかしてこなかったんだな」ということでした。

会社員時代は、オフィスにこもってデザインを作る時間が多く、お客様に直接提案したり、営業したりする機会はそこまで多くありませんでした。

接客業もあまり得意ではなく、学生時代のアルバイトでも、ずっと笑顔でいることが大変だなと感じていたタイプです。

だからこそ、営業職や接客業を経験してきた方を見て、「すごいな」と思うことがたくさんありました。

お客様と自然に会話できる。
相手の気持ちを汲み取れる。
人と関係性を築くのがうまい。
現場のリアルな課題を知っている。

こうした力は、フリーランスで活動していく上で本当に大切です。

デザインスキルだけではなく、人と関わり、仕事を生み出し、信頼関係を築いていく力。

それは、デザイナー以前のキャリアの中で身についていることが多いのです。

過去のキャリアをリセットしてしまうのはもったいない

未経験でデザインの仕事を始めると、多くの方がこれまでのキャリアを一度リセットしようとしてしまいます。

「前職はデザインと関係ないので」
「昔の仕事は今の活動に関係ないので」
「アピールするほどの経験ではないので」

そんなふうに、過去の経験を自分の中でなかったことにしてしまうんです。

でも、それは本当にもったいないことです。

たとえば、営業職をしていた経験があるなら、お客様との関係づくりや提案の流れがわかるデザイナーになれます。

医療事務や医療関係の仕事をしていたなら、医療業界の空気感や専門性、患者さんとの関わりを理解したデザイナーになれます。

飲食店で働いていた経験があるなら、お店の現場感やオペレーション、スタッフの気持ちがわかるデザイナーになれます。

カフェで働いていた方なら、カフェのブランドづくりやメニュー、店内導線、接客の空気感まで想像できるかもしれません。

これらは、単なる過去の仕事ではありません。

その業界のお客様から見たときに、「この人ならわかってくれそう」と感じてもらえる、大切な信頼材料になります。

「元〇〇」の経験は、覚えてもらいやすいブランドになる

自分の過去の経験を活かすことで、他のデザイナーとの差別化にもつながります。

たとえば、芸人さんの世界でも「元〇〇」という肩書きを持っている方は印象に残りやすいですよね。

元弁護士の芸人さん。
元自衛官の芸人さん。
元教師のタレントさん。

そうした背景があると、その人の言葉や表現に厚みが出ます。

「なぜその話ができるのか」
「なぜその視点を持っているのか」
「なぜその人ならではの面白さがあるのか」

それが伝わりやすくなるんです。

デザイナーも同じです。

ただ「ロゴデザインができます」「ホームページが作れます」と伝えるだけでは、他のデザイナーとの違いが見えにくくなってしまいます。

でも、そこに過去の経験が加わると、一気にその人らしさが出てきます。

元カフェスタッフのカフェ専門デザイナー。
元医療事務のクリニック向けデザイナー。
元営業職の提案力に強いデザイナー。
元保育士の子ども向けサービス専門デザイナー。
元アパレル販売員の世界観づくりが得意なデザイナー。

このように、自分の過去の経験を組み合わせることで、「この人にお願いしたい」と思ってもらえる理由が生まれます。

専門性を打ち出すと、選ばれる理由が生まれる

デザイナーとして活動していく中で大切なのは、「何ができるか」だけではありません。

「誰のことを深く理解できるのか」
「どんな業界に強いのか」
「どんな悩みに寄り添えるのか」

ここが見えると、選ばれる理由が生まれます。

たとえば、パン屋さんのデザインを依頼したい人がいたとします。

一人は「パンが好きです」というデザイナー。
もう一人は「パン屋で働いた経験があります」というデザイナー。

もちろん、どちらも魅力的です。

でも、もし同じくらいのデザインスキルだったとしたら、後者の方に「現場のことをわかってくれそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

お客様は、単にデザインを作ってほしいだけではありません。

自分の想いや背景を理解してほしい。
業界のことをわかった上で提案してほしい。
自分たちの言葉にならない悩みを汲み取ってほしい。

そう思っています。

だからこそ、過去の経験や専門性は、デザイナーとしての信頼につながります。

「強みがない」のではなく、まだ言語化できていないだけ

「自分には強みがありません」と言う方でも、じっくりお話を聞いていくと、必ず何かしらの経験や魅力があります。

ただ、それを本人が強みだと認識していないことが多いのです。

当たり前にやってきたこと。
自然にできてしまうこと。
人からよく相談されること。
長く続けてきた仕事。
つらかったけれど乗り越えてきた経験。
誰かの役に立てた実感があること。

こうしたものの中に、自分ならではの強みが隠れています。

強みは、必ずしも華やかな実績やわかりやすい資格だけではありません。

むしろ、自分では「こんなこと大したことない」と思っている経験の中に、他の人から見ると価値のあるものが眠っていることがあります。

だから、「私には何もない」と決めつける前に、一度これまでの人生や仕事を棚卸ししてみてほしいのです。

キャリアの棚卸しで見えてくる、デザイナーとしての方向性

未経験デザイナーが自分の強みを見つけるためには、キャリアの棚卸しがとても大切です。

これまでどんな仕事をしてきたのか。
どんな人と関わってきたのか。
どんな悩みを解決してきたのか。
どんな場面で感謝されたのか。
どんな業界や人に思い入れがあるのか。

こうしたことを一つずつ振り返っていくと、自分がどんなお客様に力を発揮しやすいのかが見えてきます。

たとえば、飲食店で働いていた経験があるなら、飲食店のブランディングやメニュー、ショップカード、SNS導線のデザインに強みを持てるかもしれません。

子育て経験があるなら、ママ向けサービスや親子向けイベント、教育系のデザインに共感を持って取り組めるかもしれません。

営業経験があるなら、見た目だけではなく「売るための導線」や「伝わる提案資料」のデザインが得意になるかもしれません。

過去の経験を見つめ直すことで、ただ「何でも作れます」というデザイナーではなく、「この分野なら私に任せてください」と言える軸が見えてきます。

未経験だからこそ、過去の経験をデザインに掛け合わせよう

未経験からデザイナーになるとき、「まずはデザインスキルを磨かなきゃ」と思う方は多いと思います。

もちろん、デザインスキルを伸ばすことは大切です。

でも、それと同じくらい、自分の過去の経験をどうデザインに掛け合わせるかを考えることも大切です。

デザインスキルだけで勝負しようとすると、経験豊富なデザイナーと比べて苦しくなってしまうことがあります。

でも、自分の過去のキャリアや人生経験を掛け合わせることで、他の人にはないポジションを作ることができます。

たとえば、

「元営業職だから、売上導線まで考えられる」
「元保育士だから、子どもや保護者に伝わる表現がわかる」
「元飲食店スタッフだから、店舗運営のリアルを踏まえた提案ができる」
「元医療関係者だから、専門性と安心感のあるデザインができる」

このように、デザインと過去の経験を掛け合わせることで、デザイナーとしての強みはぐっと伝わりやすくなります。

まとめ:自慢できるキャリアがない人なんて、きっといない

「自慢できるスキルやキャリアがない」と感じている方へ。

私は、一人として本当に何もない人はいないと思っています。

これまでの仕事。
人との関わり。
悩んできたこと。
乗り越えてきたこと。
好きで続けてきたこと。
誰かのために頑張ってきたこと。

そのすべてが、デザイナーとしての土台になります。

大切なのは、それをなかったことにしないこと。

デザインと直接関係がないからといって、過去のキャリアをリセットする必要はありません。

むしろ、これまでの経験をどう活かすかによって、あなただから選ばれる理由が生まれます。

未経験からデザイナーを目指す方こそ、自分の人生やキャリアを一度丁寧に棚卸ししてみてください。

「何もない」と思っていた場所に、実はちゃんと強みの種が眠っているはずです。

そしてその種を、デザインの仕事にどうつなげていくか。

そこを見つけられたとき、あなたならではのデザイナーとしての道が見えてくると思います。


音声解説版はこちらからどうぞ⬇︎

無料相談のご案内

ドマノマドでは、未経験からデザイナーを目指す方や、フリーランスデザイナーとして自分の強みを見つけたい方に向けて、デザイン相談を行っています。

「自分にはどんな強みがあるのかわからない」
「これまでのキャリアをどうデザインの仕事に活かせばいいかわからない」
「自分らしいデザイナーとしての方向性を見つけたい」

そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

あなたのこれまでの経験を一緒に棚卸ししながら、デザイナーとしての強みや届けたい相手を見つけていきましょう。

この記事を書いた人

神奈川県川崎市のブランドデザイン会社「株式会社ドマノマド」代表取締役。2012年に富士通に入社し、8年間プロダクトデザイナーとして従事。2年連続で保活に敗れたことをきっかけに自宅を子どもと働けるシェアスペースにして起業。女性・ママデザイナーのためのスクール事業、ブランドデザイン会社としてロゴやホームページなどのブランドデザイン制作事業を展開。

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